【徹底解説】これで安心!初めてのゲーミングPC購入ガイド : 第4章「ゲーミングPCの主要パーツと役割 : CPU編」

この記事は初めてゲーミングPCを購入するにあたって、ゲーミングPCをしっかり理解するためのガイドです。


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ゲーミングPCの主要パーツと役割 : CPU編

ゲーミングPCを選ぶ際、専門用語の多さに戸惑うかもしれません。しかし、心配はいりません。

ゲーミングPCは、いくつかの重要なパーツが組み合わさってできています。
それぞれのパーツがどんな役割を持っているのか、ざっくりと理解するだけで、PC選びがずっと簡単になります。

この章では、PCの「脳」とも言えるCPUについて、その役割と選び方を解説します。

CPUとは?

CPUは、人間の脳に例えられることが多いパーツです。

PC全体の司令塔として、プログラムの実行、データの計算、他のパーツへの指示出しなど、あらゆる処理をこなしています。

ゲームを動かすのはもちろんのこと、WindowsなどのOS(オペレーティングシステム)の起動、ウェブサイトの閲覧、動画の再生、WordやExcelなどのアプリケーションの動作まで、PCのすべての動作にCPUの性能が関わっています。

CPUの主なメーカーとシリーズ

現在、PCのCPU市場は、主にIntelとAMDの2つの大手メーカーがしのぎを削っています。

Intel(インテル)

代表的なシリーズは「Core i(コア アイ)シリーズ」です。
最新のシリーズでは名称が変わり、「Core Ultra(コア ウルトラ)シリーズ」となっています。

一般的に「Core i3 (Core Ultra 3)」「Core i5 (Core Ultra 5)」「Core i7 (Core Ultra 7)」「Core i9 (Core Ultra 9)」と数字が大きくなるほど高性能になります。

Core i シリーズ」では、Core i7-14XXXといった型番が使われます。上1~2桁の数字は世代を表しています。下3桁(XXX)はグレードを表しています。一般的に下3桁の数字が大きくなるほど高性能になります。

Core Ultra シリーズ」では、Core Ultra 7 2XXといった型番が使われます。上1桁の数字は世代を表しています。下2桁(XX)はグレードを表しています。一般的に下2桁の数字が大きくなるほど高性能になります。

末尾にも意味があり、アルファベットの表記がないものは通常モデル、「K」が付くモデルはオーバークロック(定格以上の性能を引き出すこと)が可能なモデル、「F」が付くモデルは内蔵グラフィック(内臓GPU)機能がないモデルとなっています。

長年の実績と安定性に定評があり、特にゲームにおけるシングルコア性能(一つの処理を素早くこなす能力)が高い傾向があります。

AMD(エーエムディー)

代表的なシリーズは「Ryzen(ライゼン)シリーズ」です。

こちらも「Ryzen 3」「Ryzen 5」「Ryzen 7」「Ryzen 9」と数字が大きくなるほど高性能になります。

Ryzen シリーズ」では、Ryzen 7 9XXXといった型番が使われます。上1桁の数字は世代を表しています。下3桁(XXX)はグレードを表しています。一般的に下3桁の数字が大きくなるほど高性能になります。

末尾にも意味があり、アルファベットの表記がないCPUは通常モデルで、内蔵グラフィック(内臓GPU)機能がありません。「G」が付くモデルは内蔵グラフィック(内臓GPU)機能がついているモデルとなっています。

「X」が付くモデルはオーバークロック(定格以上の性能を引き出すこと)が可能なモデル、「X3D」が付くモデルは3D V-Cache機能がついているモデルとなっています。

Intelと違い、通常モデルには内蔵グラフィック(内臓GPU)機能がないため、注意が必要です。

近年、多コア・多スレッド性能(複数の処理を同時に効率よくこなす能力)に優れており、ゲームだけでなく、動画編集や配信など、複数の作業を同時に行うマルチタスク環境において高いパフォーマンスを発揮します。

CPUの性能指標

CPUの性能を示す上で、「コア数」と「スレッド数」という言葉がよく出てきます。

コア数

 CPUの中に物理的に搭載されている処理ユニットの数です。コアが多いほど、CPUが同時に行える処理の量が増えます。例えば、「6コア」なら同時に6つの処理を並行して行えます。

スレッド数

1つのコアが同時に処理できるタスクの数です。
現在使用されているほとんどのCPUは「SMT(Simultaneous Multi Threading)」という技術により、1つの物理コアが2つの論理スレッドとして動作できます。

例えば、「6コア12スレッド」のCPUは、同時に12の処理を効率よく行える、という意味になります。

ゲーム単体の動作だけであれば、極端に多くのコア数は必要とされないことも多いですが、最近のゲームは多くのコアCPUを活用するものも増えています。

また、ゲーム中に配信やチャットツールなど複数のアプリケーションを動かすことを考えると、コア数やスレッド数が多いCPUは、全体の快適さに貢献します。

ゲーミングPCにおけるCPUの選び方

予算重視

例 : Intel Core i3 ~ 5 (Core Ultra 3 ~ 5) / AMD Ryzen 3 ~ 5

ライトゲーマー向けです。予算を抑えて、最低限のゲーミング性能を確保したい方におすすめです。

主に軽めのオンラインゲームや、グラフィック負荷の低いゲームをプレイする場合には問題ありませんが、処理の重いオンラインゲームやグラフィック負荷の高いゲームをプレイする際にはゲーム設定を下げる必要が出てくる可能性が高いです。

バランス重視

例 : Intel Core i5 ~ 7 (Core Ultra 5 ~ 7) / AMD Ryzen 5 ~ 7

一般的なゲーマー向けです。予算を抑えつつ、基本的なゲーミング性能を確保したい方におすすめです。

処理の重いオンラインゲームやグラフィック負荷の高いゲームをプレイする際にも快適にプレイすることができます。

ゲームをしながら高画質でライブ配信をしたい方にもおすすめです。

性能重視

例 : Intel Core i7 ~ 9 (Core Ultra 7 ~ 9) / AMD Ryzen 7 ~ 9

ヘビーゲーマー向けです。予算を気にせず、圧倒的なゲーミング性能を確保したい方におすすめです。

4Kや最高設定でのプレイや高フレームレートでプレイすることができます。

ゲームをしながら高画質でライブ配信をしたり、動画編集、3Dモデリングなど、複数の高負荷作業を同時にこなしたい方にもおすすめです。

CPUとGPUのバランスも重要

CPUだけ高性能でも、グラフィックボード(GPU)の性能が低いと、ゲームのパフォーマンスは上がりません。
逆に、GPUだけ高性能でもCPUがボトルネック(性能の足を引っ張る要素)になってしまうこともあります。
ゲーミングPCでは、CPUとGPUの性能のバランスが非常に重要です。

例えば、最新の超高性能なGPUを搭載するのに、CPUがエントリーモデルだと、CPUがGPUの処理に追いつかず、GPUの性能をフルに引き出せない「ボトルネック」状態になってしまいます。

まとめ

メーカー製PCやBTO PCを購入するのであれば、このバランスは販売メーカーがうまく調整してくれていることが多いので、あまり深く心配する必要はありません。しかし、自分でパーツを選ぶ際には、このバランスを意識することが重要です。


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